保険は、ライフプランに合わせて、定期的に確認し、必要に応じて見直ししていくことが望ましいです。
世の中の情勢に合わせて、時代に適した商品が売り出されることもあり、今加入しているものよりも優れた保険を選ぶこともできます。
ただ、保険に詳しくない人は、見直すときに、どういったことに注意して、何を確認すればいいのかがわからないのではないでしょうか。
今回は、医療保険について、加入するとき、見直しをするときに注意しておきたい厳選ポイントを5つ説明します。
医療保険で確認すべき項目 厳選5選
今や、多くの人が加入する「医療保険」。
がん、心筋梗塞、脳卒中の3大疾病や生活習慣病などで入院や治療が必要になる場合や、長寿化にともなって老後の入院が増えることなどに備えて、医療保険はなくてはならない保険のひとつになったと言えるかもしれません。
ほとんどの生命保険会社が医療保険を取り扱っていますが、終身保険や定期保険といったシンプルな保険と違って、各社ごとに特徴があり、比較するのが難しいのではないでしょうか。
また、しばらく前にはなかったタイプの医療保険が発売されていることもあり、見直しをした方がいいケースも少なくありません。
保障期間、給付金の支払われ方、特約など、医療保険の加入や見直しを検討するときに確認しておくべきことを、厳選して5つご紹介します。
保障期間を「終身タイプ」にするか「定期タイプ」にするか
医療保険の保障期間は、生命保険と同じく、終身タイプと定期タイプがあります。
- 終身タイプは、一度加入したら、一生涯保障期間が続きます。
- 定期タイプは、1年・10年・20年などの一定期間だけ保障されますが、保障期間の終了後、更新しない意思表示をしなければ、同じ期間で更新することもできます。
終身タイプは加入時から保険料が変わりませんが、定期タイプは更新のたびに、年齢に応じて保険料が上昇します。
若いころは終身タイプよりもずっと安い保険料で医療保険に加入することができるのですが、更新のたびに保険料が上がっていき、いずれは終身タイプよりも高い保険料になってしまいます。総支払保険料で見ても、最終的には定期タイプの方が高くなります。
また、いつまでも更新できるわけではなく、保険会社が定める上限の年齢を超えると更新されずに保障期間が終了する点には注意しましょう。
定期タイプで加入する場合に注意しておきたい点がもうひとつあります。それは、老後に備えて、定期タイプから終身タイプに見直したい場合です。
終身タイプに見直す場合は、新たに健康状態について告知が必要です。年を重ねるにつれ、健康状態を理由に加入できなかったり、加入できたとしても保険料が高く設定されている緩和型のものしかなかったりする可能性も高くなります。終身タイプへの見直しは、若いうち、健康なうちに検討することをおすすめします。
老後まで含めた医療保障を重視する方には「終身タイプ」、今の保険料を安く抑えたい人や将来の見直しを視野に入れたい人には「定期タイプ」が向いていると言えます。
保険料払込期間を短くするか
保険料払込期間は、保障期間と同じにするかそれよりも短くするかを選択できます。
終身保障の医療保険の場合は、保険料払込期間を短くする人も少なくありません。そうすることで、働いている期間のうちに保険料を払い終えられ、老後は医療保険の保険料を支払うことなく過ごすことができるからです。年金生活になっている老後に、少しでも支出を減らせるのは、生活の安心にもつながると言える大きなメリットでしょう。
ただ、老後の保険料を先に払っておくことになるため、保障期間と保険料払込期間を同じにしているプランよりも毎月の保険料が高くなります。また、今まで支払った保険料のうち、老後のための部分も支払ってしまっているため、見直しをすると損になるとも言えます。
保険料払込期間を保障期間と同じにしている場合は、月々の保険料は安く抑えられますが、長生きすると、その分だけ総支払保険料が多くなってしまうデメリットがあります。
保険料払込期間については、老後の出費を抑えたいかどうか、将来、保険の見直しをしていきたいかどうかを考えて決めるのがよいでしょう。
給付の方法は一時金保障タイプと日数保障タイプがある
医療保険の給付金も、大きく分けて一時金保障タイプと日数保障タイプの2種類に分けることができます。
一時金保障タイプは、「入院をしたら〇〇万円」というように、入院日数とは関係なく一律の金額を受け取ることができます。
もう一方の、日数保障タイプは、入院日数に応じた保障が受けられます。入院1日当たりの給付金額を契約時に決めておいて、「日額×入院日数」分の給付を受けられるようにします。
日数保障タイプのメリットは長期入院の場合に保障が手厚くなることですが、近年、入院日数が短くなってきています。そのため、「1入院あたりの上限日数を短くして保険料をお手頃にしたもの」や「短期入院の場合でも、一律で〇日分の給付金を支給する特約がつけられるもの」なども登場しています。
昔は、1入院あたりの上限日数は120日のものが主流でしたが、近年は、上限が60日に設定されているものが主流です。
短期入院でも一律の給付金が支給されるものでは、5日分や10日分としているものが多いようです。
これは、60日以上の入院になるケースが非常に少なく、10日以内に退院しているケースが半数以上という実態に合わせてのものです。
なお、医療保険の見直しを考えている方は、特にしっかりとチェックしてもらいたいポイントがあります。
日数保障タイプの古い医療保険では、「入院給付金は入院日数が〇日以上になった分だけ」と決められているものもあります。最近の医療保険は、入院1日目から保障しているものがほとんどで、前述のような「短期入院でも一律〇日分の給付金が受け取れる特約」がつけられるものも増えています。
以前に加入した医療保険は、メリットがとても少なくなっているかもしれません。その場合は、早めの見直しをおすすめします。
先進医療特約の有無は必ずチェックしましょう
先進医療特約がついているかどうかも重要です。先進医療とは、「公的医療保険が適用されない、高度な技術による治療方法で、厚生労働大臣の承認を受けたもの」です。
先進医療は、2020年10月現在で80種類ほどあります。その中には、がんの治療に使われる陽子線治療や重量子線治療も含まれています。
先進医療特約を実際に使うケースはかなり少ないですが、もし、先進医療が必要な状態になってしまった場合、健康保険が適用できず、非常に高額な治療費を自己負担で支払わなければなりません。先進医療特約をつけていれば、高額な治療費を医療保険でカバーすることができます。
先進医療は、将来的には健康保険の適用対象になる可能性があるものですが、実際に自分が病気になったとき、健康保険の対象として3割の自己負担で治療が受けられるかどうかはわかりません。また、医療技術の進歩で、新たに先進医療として承認されるものも出てくることでしょう。
特約保険料は非常に安いので、つけられるのであればつけておくべきでしょう。ただ、先進医療特約にも、特約保険料が一生涯変わらない終身型と、更新のたびに特約保険料が上がる更新型があります。
保険料が変わらないという意味では「終身型」の方が安心です。
とは言え、使うケースが少ない特約ですから、保障期間や払込期間、その他の特約など、あなた自身がより重要視したい部分を優先して考えるのがよいでしょう。
がん特約をつけるべきかどうかも考えましょう
医療保険にがん特約がつけられるものもあります。
2人に1人がかかると言われているがんですが、がんになってしまった場合、治療費が高額になってしまう可能性もあります。厚生労働省による「医療給付実態調査(平成27年)」によれば、健康保険が適用される治療だけでも、自己負担額が20万円前後になるそうです。
健康保険が適用されない自由診療の治療を受ければ、その分だけ費用は増えますし、治療費以外の差額ベッド代・入院中の食費・交通費などの負担も考えられます。
医療保険につけられるがん特約は、「入院日数に応じた入院給付金」・「手術した場合に支給される手術給付金」・「がんと診断されたときの診断一時金」などが受け取れるようになっています。
しかし、医療保険によって、保障される内容はさまざまです。どのような保障が必要なのかを考えて、自分に適した特約のある医療保険を選択しましょう。
なお、医療保険につけられるがん特約は、がん保険と比べると保障が少ないことが多いです。がんになったときに、より手厚い保障が欲しいと考えているのであれば、医療保険とがん保険の両方に加入することをおすすめします。
がんに関係する特約として、この他に、「三大疾病等で入院した場合には、入院給付金の支払日数が無制限になる」という特約がつけられるものもあります。がん以外も含めた疾病でもより手厚く保障を用意しておきたい場合には、この点も確認しておきましょう。
まとめ
医療保険は各社ごとに特徴があり、入院した場合の給付金額が同じでも、保障内容や保険料はさまざまです。そのため、比較するのが難しいと感じてしまいます。
そんなときは、保障期間・保険料払込期間・給付方法・先進医療特約・がん特約という特に重要な5つのポイントを中心に検討してみてください。
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