初回投稿日:2021/3/1 最終更新:2023/3/15
外貨建て保険を検討するときに、必ず正しく理解しておきたい『円安』と『円高』。
『知っていて当たり前』と思われるかもしれませんが、意外とうろ覚えという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、検討しだしてから困ることがないように、『円安』と『円高』について簡単にご紹介していこうと思います。
円安・円高の基本を確認
まず最初に基本的な部分を確認しておきましょう。
何となくで覚えていると、考えていく途中で『あれ?どっちがどっちだ?』なんて混乱してしまうかもしれません。
円安とは
円の価値が下がって”安く”なり、対する外貨の価値が上がり”高く”なった状況を円安といいます。
具体的に数字で表すと、昨日は$1=¥100だったものが、今日は$1=¥110になってしまった、という状態が『円安』。
単純に円だけを見ると100円から110円になっているので、パッと見た印象だと『円は高くなってるんじゃないの?』と思いがちですが、そこが間違いやすいポイントです。
これは1ドルを円に直したらいくらなの?という話なので、円だけ見ていると間違えてしまいます。
昨日だったら為替レートが『$1=¥100』だったので、100円出したら1ドルにしてもらえましたが、今日の為替レートは『$1=¥110』ですので、100円出しても「10円足りません」と1ドルにはしてもらえません。
同じものを出して、昨日もらえたものが今日はもらえない。昨日より、円の価値が下がって”安く”なってしまっている・・・これが円安のキホンです。
円高とは
上で円安について改めて説明したので、その逆を考えれば円高は簡単ですね。
円の価値が上がって”高く”なり、対する外貨の価値が下がって”安く”なっている状況が円高です。
数字で表すと、昨日は$1=¥100だったものが今日は$1=¥90になった、という状態が『円高』。
これも円だけ見ると安くなっているように見えるので、円高といわれると少し不思議な感じかもしれません。
この状況だと、昨日は為替レートが『$1=¥100』だったので、100円出したら1ドルで帰ってきましたが、今日の為替レートは『&1=¥90』ですので、100円を出すと「10円多いですよ」ということで1ドルと10円返ってきます。
同じものを出して、昨日もらえたものプラス10円返ってくる。昨日より、円の価値が上がって”高く”なっている・・・これが円高のキホンです。
キホンを踏まえて円安・円高に関係するもろもろ
改めて円安・円高について確認していきました。
どういった状態だったら円安なのか、円高なのかは復習できたと思いますが、でも大事なのは『なんでそうなるのか』の理由のところです。
今が昨日と比べて円安なのか円高なのかは見ればわかりますが、なぜそうなっているかが何となくでもわかれば面白いと思いませんか?
もちろん為替の動きにはいろんな要因があるので、必ずしも「こうなればこうなる!」という断言はできませんが、基本的な傾向・原則はあります。
なので、知っておいて損はない部分について確認していきましょう。
大前提。為替レートの変動のカナメは?
まず大前提として、国の信頼が高ければ、その国の通貨の信頼も高くなり、価値が上がります。
国の信頼はどこで見られるのか・・・というと、それも様々要因はありますが、基本であり、かつ、わかりやすいのは景気の良し悪しです。
日本の景気が良くなると、世界から見た時に日本全体の信頼度が高くなるので、円高になる要因になります。
またそれは逆も言えるので、景気が悪くなり、国の信頼が低くなってしまうと、その国の通貨の信頼も低くなり、価値が下がります。
これがまず原則。
ではそれを踏まえた上での、円高傾向を加速させやすい要素と、円安傾向を加速させやすい要素をそれぞれ見ていきましょう。
円高傾向になりやすい要素
例えばですが、景気が良くなって日本の信用が上がると、まずそこで円の価値が上がります。
そうすると、諸外国からの日本への期待が高まるので、海外から日本への投資が増えることが考えられますが、そうするとさらに円高が加速します。
またそこから派生して、信頼度の高い日本製のものが欲しいとなって輸出量が増えれば、さらに円高が加速します。
ただし、円高が行き過ぎると、値段が高くなりすぎるので輸出が停滞しだすこともあります。
円安傾向になりやすい要素
円安傾向を考えるならその逆を考えればだいたいわかると思います。
例えば、海外から日本への投資が増えれば円高が加速するように、日本から海外への投資が増えれば、円安が加速します。
また、輸出が増えれば円高が加速するように、輸入が増えれば円安傾向になります。
もっと具体的に言うと、日本の中でA国の通貨建て金融商品への投資が増えたり、A国からの輸入が増えたりすれば、どれも円を手放してA国の通貨や物を手にしていると判断できます。
そうすると『大勢が円よりもA国の通貨を求めている』=『円よりA国の通貨の価値が高い』となり、円安を進める要因になります。
まとめ
簡単にではありますが円高傾向になりやすい要素と、円安傾向になりやすい要素の考え方をご紹介しました。
どれも言われてみれば、それもそうだな、と納得の内容ではないでしょうか。
ただ、なかなか普段生活している中で、それを結び付けて考えるということはあまりないのかな、と思います。
実際の為替の動きは他の国との相対的な判断だったり、上記以外の要素も働いてくるので、完璧に予測するというのは難しいですが、ただ少しでも知っているのと知らないのとではやり方も考え方も、先へのつなげ方も変わってくるはず。
こういった要素も少し念頭に置いたうえで、外貨建て保険を今後活用していくかどうか等も、是非ご検討いただければと思います。