初回投稿日:2019/5/28 最終更新:2021/12/14
新しい家族の誕生に合わせて、多くの人が加入する学資保険。
でも、実際必要なの?というところから保険の選び方まで、意外と考えることが多いもの。
今回はそんな学資保険について、そもそもかかる費用からそれを取り巻く公的制度、実際検討するときのポイントまで、一通りお伝えしたいと思います。
なかなかボリュームがありますが、是非最後まで目を通して、今後の検討材料にしてください。
そもそも教育にかかるお金ってどのくらい?
お金がかかる、というのは漠然とわかっていても、先の事ってなかなかイメージが湧き辛いものですよね。
お子さんが独り立ちするまでに、だいたいどのくらいお金がかかるのかを見ていきましょう。
幼稚園から大学卒業まで1000万以上?内訳は。
よく「教育費は最低でも1000万以上かかる!」といわれますが、具体的に、どういったタイミングで、いくらくらいかかってくるのか、ご存知でしょうか。
これからお子さんのために資金を準備していくにあたって、まずここから整理をしていきましょう。
3歳から18歳までにかかる学費の参考額
公立 | 私立 | |
幼稚園 3年間 | 約41.9万円 | 約108.7万円 |
小学校 6年間 | 約64.0万円 | 約571.0万円 |
中学校 3年間 | 約54.6万円 | 約322.6万円 |
高校 3年間 | 約84.1万円 | 約215.7万円 |
合計 | 約244.7万円 | 約1218.0万円 |
出典元:文部科学省、平成30年度子供の学習費調査の結果について
概算として、学校教育費、学校給食費の年額に在学年数をかけたものを算出
統計上では、すべて公立に通わせて約245万円。すべて私立だと約1218万円かかることになります。
なんと公立と私立との違いで、約5倍も開きが出る結果になりました。
中学校までは公立、高校からは本人の希望で私立へ、というのはよくありそうなパターンですが、その時は約376万円になります。
こうやって見てみると、全て私立に進学した場合はなかなかな金額になりますが、ほとんど公立に進学した場合は心配していたほどお金がかからないように見えます。
ただ注意していただきたいのが、これはあくまで、高校卒業までで必要になる金額であるということです。
次に大学進学でかかる費用についても確認していきます。
大学進学でかかる学費参考値
入学費用 | 1年間 | 入学+4年間 | |
国公立 | 約77.0万円 | 約105.8万円 | 約500.2万円 |
私立(文系) | 約95.1万円 | 約143.2万円 | 約667.9万円 |
私立(理系) | 約94.2万円 | 約183.3万円 | 約827.4万円 |
出典元:日本政策金融公庫、令和2年度「教育費負担の実態調査結果」
1年間の学費は家庭教育費を除いた学校教育費のみで表記
多くのご家庭で資金準備に頭を悩ますのが、この大学進学で必要になる教育費の部分になると思います。
特に入学時には、入学費用+初年度授業料の半額の支払いが必要な場合が多く、金銭的負担が大きくなりがち。
平均額では80万円~90万円程度となっていますが、交通費宿泊費などの不確定要素もありますからできれば100万円程度は準備しておきたいところです。
因みに、入学費用の内訳としては、下記3つが主になります。
- 学校納付金
- 受験費用
- 入学しなかった学校への納付金
【学校納付金】
入学金、寄付金、学校債など、入学時に学校に支払う費用
【受験費用】
受験料や、受験のためにかけた交通費・宿泊費などの費用
【入学しなかった学校への納付金】
合格し、入学資格をひとまず得るために支払った入学金などの費用
※入学金は入学を辞退しても原則返還されません。
最低限必要な学校教育費を計算
幼稚園から大学まででかかる、学校への支払いの平均についてご紹介しました。
平均額の合計としては下記の通りとなります。
公立 | 私立(大学:文系) | 私立(大学:理系) | |
幼稚園 | 約41.9万円 | 約108.7万円 | 約108.7万円 |
小学校 | 約64.0万円 | 約571.0万円 | 約571.0万円 |
中学校 | 約54.6万円 | 約322.6万円 | 約322.6万円 |
高校 | 約84.1万円 | 約215.7万円 | 約215.7万円 |
大学 | 約500.2万円 | 約667.9万円 | 約827.4万円 |
合計 | 約744.8万円 | 約1885.9万円 | 約2045.4万円 |
やはり、国公立のみの進学だった場合と、私立のみの進学だった場合では2倍以上の差がつく結果となりました。
ちなみに、中学校までは公立、高校から私立、大学は文系という場合は約1044.1万円になります。
このあたりをモデルケースとすれば、確かに教育費は1000万円以上かかる、というのも確かに妥当なラインのような気がします。
更にプラスでかかる教育関連費用
ただし、ここまでご紹介した教育費は、あくまで最低限必要になる、学校へ支払う教育費の平均です。
実際には学校以外の様々な場面でもお金が必要になることがあるので、上で紹介した金額のみを準備すべき額として考えてしまうと、だんだん想定と実際の出費の帳尻が合わなくなってくるかもしれません。
具体的にどんな費用が別にかかってくるかというと、例えば自宅で学習を行う時に必要になる教材の購入や、学習塾・ピアノといった習い事の月謝などです。
こちらは絶対に必要な金額ではないかもしれませんが、現在統計が出ている平均の金額について確認してみましょう。
補助学習費、学校外活動費の参考数値
公立 | 私立 | |
幼稚園 3年間 | 約25.2万円 | 約49.7万円 |
小学校 6年間 | 約128.7万円 | 約388.1万円 |
中学校 3年間 | 約91.9万円 | 約99.4万円 |
高校 3年間 | 約53.0万円 | 約75.3万 |
合計 | 約298.8万円 | 約612.5万 |
※補助学習費…家庭での学習に使用する物品・図書の購入や家庭教師、学習塾費等の支出
※学校外活動費…体験活動や習い事等(ピアノ、水泳、習字等)の為の支出、用具の購入費用等
出典元:文部科学省、平成30年度子供の学習費調査の結果について
見ていただいた通り、学校へ支払う学費以外でも、平均でこれだけの金額がかかっています。
両親の考えで通わせたい習い事もあるでしょうし、子ども自身からやりたいと話がでることもあると思います。
そんな時、なるべくならお金のことで諦めざるを得ないという状況にならないように、準備は万全にしておきたいところです。
まとめ
以上、幼稚園から大学までに必要になる教育費について、現在最新の統計を用いてご紹介しました。
どういった進路で進んでいくのかはいくらでもパターンがあるので一概には言えませんが、平均額から導いてみると、教育費用が抑えられるパターンと、かかるパターンとでは下記の金額になります。
ALL国公立:約1043.8万円
ALL私立(大学文系):約2498.4万円
ALL私立(大学理系):約2657.9万円
教育関連費も含めてみれば、全て国公立の学校に進学したとしても1,000万円以上かかる結果となりました。
そうすると冒頭でお伝えしていた『教育費は1,000万円以上かかる』というのは、やはり最低限準備しておきたいラインであることがわかります。
しかし、かかる費用を計算するのは簡単でも、実際に準備するとなると簡単な額ではありませんよね。
しっかりと教育費を確保していくためには、どういった方法で貯めていくのかをきちんと考えておかなければなりません。
そこで次項からは、その準備の方法の1つ。学資保険についてお伝えしていきます。
⇒保険を活用した教育費用の準備方法をご提案。保険無料相談.comはこちら
学資保険で備えるメリット
まず、お金を貯めようと思った時に、真っ先に銀行への積み立てを思い浮かべる方は多いと思います。
確かに『貯める』だけなら貯金で十分ですが、もしも「十分な額を貯金で確保する自信がない」「元手よりも増える可能性を求めたい」「今すぐ確実に資金を準備したい」という要望があるなら、学資保険の方がご要望に沿える可能性があります。
それはなぜか?
銀行での積み立てを行うのと比べ、学資保険で資金準備をするメリットを、簡単に3つご紹介します。
貯金より増える可能性がある
現在は銀行で積み立てた場合、マイナス金利導入の影響でほとんど利息がつかず、払った以上に受け取れるとは言いづらい現状です。
おまけに利息には税金が一律20%かかるので、せっかく増えても丸々受け取れる、というわけでもありません。
それに対して学資保険の場合、しっかり商品を選びさえすれば払った以上に受け取れる商品もあります。
また、保険での準備であれば契約内容によっても変わりますが、よほど高額な満期金設定で契約しない限りは課税対象にはなりません。
その観点から言うと、貯金でも十分に教育資金をためられる経済力があったとしても、保険での準備は一考の価値があるといえます。
もしそれで余裕が生まれれば、生活の他のところでちょっとした贅沢ができる可能性もありますね。
両親のどちらか、契約者の「万一」にも備えられる
学資保険のほとんどは『契約者に万一のことがあった場合保険料の支払は不要、その場合でも保障は継続される』という内容になっています。
そのため契約者に保険期間中に万一の事があったとしても、子供の教育費用は確実に準備しておくことができます。
銀行に積み立てて準備していける、というのは、あくまで『元気で仕事ができる』ことが前提です。
そのため、万が一のことが起こった時でもまとまった額が確保できるかできないか、という点では大きな違いがあります。
また現時点で十分に教育資金用の積立は出来上がっていたとしても、大黒柱に万が一のことがあった場合は生活費などに積立を回さざるを得ない状況も考えられると思いますので、確実にまとまった額を準備するためには保険での準備が非常に有効です。
生命保険料控除の対象になる
学資保険の保険料は、生命保険料控除の対象です。
生命保険料控除を使うことにより所得税・住民税の負担が軽減されるので、その分の出費を抑えることができます。
自分で積み立てていても当然控除対象とはならないので、負担が軽くなる分お得ですよね。
まとめ
以上3点、保険で資金準備をするメリットをお伝えしました。
すでに資金準備ができている人、これからの人、どちらにもメリットになる部分になりますから、ここは確実に抑えておいていただければと思います。
⇒保険を活用した教育費用の準備方法をご提案。保険無料相談.comはこちら
選べる保険を知ろう
さて、前項では保険で資金準備するメリットをお伝えしました。
では次は、これから検討しようとなった時に最初に知っておきたい学資保険の基礎をお伝えしていきます。
最初の確認、学資保険の用語
パンフレットを見てみても、理解できない言葉が並んでいると、なかなか検討する気も起きないというものです。
ここでは学資保険のパンフレットでよく出てくる言葉、学資保険の説明でよく出てくる言葉を紹介します。
契約者 | 保険会社との契約を結ぶ人のことをいい、基本的には父親か母親になります。 契約者の条件によって保険料が変わったりもするため、年齢でいえば若いほうが、保険料が低いケースが多くなります。 |
被保険者 | 保障の対象となる人のことをいい、学資保険であればお子さんになります。 |
満期金 | 保険期間満了時に受け取れるお金をいいます。 保険会社によって呼び方は色々ですが、満期、という言葉が入っています。 |
祝金 | 満期の前に、各入学のタイミングに受け取れるお金をいいます。 これも呼び方は色々ですが、『進学』『入学』といった言葉が入っていることが多いです。 |
返戻率 | 払った分に対してどのくらい返ってくるのか、という率です。 計算は『受取金額÷払った金額×100=返戻率』 100万円払ったとして、返戻率110%なら受取金額は110万で10万増、逆に返戻率90%なら受取金額は90万で10万減になります。 |
元本割れ | 返戻率が100%を切って、受け取れる金額が払った分を下回ることです。 上で上げた100万払って返戻率90%、受取金額が90万になったという状況が元本割れです。 |
育英年金 | 契約者(父親や母親)に万が一のことがあった時に、契約時に決めていた金額が定期的に受け取れるという内容です。 受取は入学時等ではないため、教育資金というよりは、生活費の為のお給料代わりに受け取れる死亡保障、というイメージのほうが近いです。 |
学資保険の中でも2種類。貯蓄型、保障型
学資保険といっても種類があります。
大きく分けると2つに分かれ、貯蓄性重視のものと、保障重視のものになります。
内容はというと言葉そのままの意味なので、一度確認いただければわかりやすいと思います。
貯蓄型
貯蓄型のものは単純に積立を行って増やすことを目的としているので、子供の医療保障や育英年金等、積立以外の保障はついていません。
保障をつけず積立に特化することで、返戻率を高くしている商品です。
保障型
保障型のものは、積立だけでなく保障も準備するために保障部分の保険料も払っているので、返戻率は原則元本割れをおこします。
ただ元本割れはしますが、貯蓄と合わせて子供の医療保障の準備も同時に行えたり、契約者に万一のことがあった時の育英年金も同時に準備できたりと、いろんな機能をそれ1本で賄えるというメリットがあります。
どちらを選ぶか、考え方について
貯蓄型と保障型の2種類のうち、どちらを選ぶのがいいのか・・・というと、これは私見にはなってきてしまいますが、私は貯蓄型のものをおすすめしています。
お子さんの医療保障に関しては、全く不要とは言いませんが、必要な方は限られてくるかと思います。
私がそう考える理由は2点ありますので、簡単にご説明していきます。
お子さんの医療費は、公的制度である程度OK。問題は親の収入減。
なぜ『公的制度である程度OK』なのかというと、お子さんの医療費については自治体からの助成があるからです。
詳細は自治体によって違いますが、就学前まで通院・入院のどちらも医療費は助成されることが多いようです(詳細はお住まいの自治体のHPを確認ください)。
勿論、個室を希望した場合の差額ベッド代だったり、治療費ではない様々な雑費というのは助成の対象外になるので全くOKとは言い切れませんが、医療費に関しては助成制度を利用することで負担は抑えられるはずです。
※制度の内容は自治体によって変わりますし、見直しされる可能性もあるのでご注意ください。
ただし、お子さんの医療費がかからなくても入院時は付き添いが必要ですから、仕事を休まなければならない、なんてことも考えられます。
付き添い期間の収入減少までは公的制度では賄えませんから、子どもの医療費の補てんというよりは、それと同時に家計の不足が発生する場合であれば、一度検討してみてもいいかと思います。
学資保険セットの保障より、独立した保険のほうが内容は充実。
つぎに育英年金の部分になりますが、正直、学資保険に組み込まれている保障より、『親の万一に備える』という専用の目的で作られている保険のほうが内容は充実しています。
また、保険は時代に合わせて新商品も出てくるので、学資保険とは別に分けて準備しておいたほうが見直しもしやすく変更がしやすいという面もあります。
自分に万が一の事があった時に、家族の生活を支える為に備えておきたいということであれば、収入保障保険などを検討することをおススメします。
個人的見解、まとめ
個人的見解ですが、以上2点から私としては学資保険は貯蓄型をおすすめします。
実際に見ていても、貯蓄性を重視して保険探しをしている方が多い印象です。
医療保障については、自治体の助成制度の内容を確認した上で、最低限必要だと思える範囲の保障で準備を検討しましょう。
低解約返戻金型終身保険という選択肢
さて、前項では学資保険の事についてお伝えしてきました。
ここまででお伝えした実際かかる教育費、保険で準備するときの考え方を踏まえると、近頃の保険選びの傾向としては下記を重視して商品を選ぶ方が多い印象です。
・複数回に分けてお祝い金を受け取るよりも、大学進学時にまとまった金額を受け取りたい
・いろんな保障をというより、シンプルに積み立てて、かつできるだけ増やして受け取りたい
なので、その点を最重要視して保険を探していくと、学資保険ではない保険が意外と有用になる可能性があり、実際、「低解約返戻金型終身保険」を学資保険の代わりに準備する方も増えてきています。
どういうことかをご説明するため、まず低解約返戻金型終身保険について簡単に確認していきます。
低解約返戻金型終身保険とは?
低解約返戻金型終身保険の「終身保険」の意味として、基本的には「亡くなった時に○○万円保険金をお支払いします」という死亡時のための保険です。
次に「低解約返戻金型」の部分の意味はというと「一般的な保険と比べると、保険料払い込み期間中は解約返戻金が少なくなっています」という意味です。
ここまでだとなぜ学資保険の代わりに使えるのかがよくわからないと思いますが、この低解約返戻金型終身保険の大きな特徴は、保険料払い込み期間中の解約返戻金は少ないけども、保険料払い込み期間満了後は、解約返戻金がグッと上がって返戻率が100%を超える場合もあるという部分にあります。
払込期間満了後、使う予定がなければ解約せずにそのまま保険を置いておけば保険会社は預けているお金を運用して増やしてくれるので、置いておけば置いておくだけ、返戻率が高くなっていきます。ここが、皆さんが学資代わりに選び出している大きなポイントになります。
また、返戻率だけでなく、使い勝手の良さも、ポイントになっています。
低解約返戻金型終身保険の人気の理由・特徴を、ここで4点ご紹介してきます。
人気の理由その1 返戻率の良さ
保険料払い込み期間や受取の時期によって、返戻率が学資保険より良くなる場合があります。これはわかりやすいメリットといえます。
人気の理由その2 受取の仕方、使い方の自由さ
学資保険は当初の契約通りのタイミングでお金を受け取らなければなりませんが、低解約返戻金型終身保険を学資代わりに使う時はお金が必要なときに解約して現金にする、という使い方をします。
そのため、貯金からでも十分に教育費用を支払えるな、という時でも学資保険だと満期金が支払われて契約が終わりますが、低解約返戻金型終身保険で準備している場合、貯金で十分に対応できる場合はそのまま契約を継続させておくことが可能です。
そうすれば、上で説明した通り払込期間満了後は置いている期間中保険会社が運用し増やしてくれるので、大学入学時にも使わなければ契約をそのままにして返戻率を上げておき、例えば大学院へ進む時や、留学する時に使ったり、そこでも困らなかった時は、お子さんの独り立ちの時の費用に充てたり、さらには結婚式を挙げる時に使ったりする事もできます。
さらに、最後までお子さんにお金がかからなかった時は自分の老後の費用としても使えますし、もしくはお子さんが家庭を持った場合にはお孫さんへの援助としても使うことが可能です。払込期間が終わりさえすれば、使うタイミング、用途も自由自在です。
人気の理由その3 受取の金額の自由さ
学資保険は当初の契約通りの決まった額を受け取って契約終了となりますが、低解約返戻金型終身保険は引き落とす金額も、解約返戻金の額を上限に自分で決められます。
なので、たとえば全部解約すれば100万の契約だったとして、大学入学のタイミングで50万円だけ保険からお金が欲しい、という時は、50万円受け取れるように部分解約すれば手元には現金50万入ってきて、残りはそのまま保険としておいて置くことが可能です。
かつ、その残りは保険として保険会社に預けたままなので、さらにその分はまた保険会社が運用して増やしてくれます。
保険としておいてある分は、またまとまった出費が必要な時に対して準備が続けられます。
人気の理由その4 申し込みタイミングの自由さ
学資保険は出生前加入特則がついていても出産予定日の140日前ぐらいからしか申し込めませんが、低解約返戻金型終身保険は契約者の死亡保険ですから、出産予定日がもっと先だったとしても、むしろ今妊娠していなくて『これから赤ちゃんを・・・』と考えている段階だったとしても準備を始めることが可能です。
しかも何度もお伝えしている通り、払込期間が終わってから時間がたてばたつほど返戻率は上がりますから、早く始めることはそのままメリットにつながります。
以上のことから、学資保険よりも使い方にしても準備にしても自由度も高い、というところで、今人気が高まっているようです。
保障型、貯蓄型、低解約返戻金型終身保険。あっている人あっていない人。
ここまでで学資保険での準備、低解約返戻金型終身保険での準備についてご紹介してきましたが、一番大事なのは自分にとってどれがいいのか、という所。
自分で考えるにしてもまずは判断材料が必要です。
そこで、今まで上げた特徴・内容から、私見ではありますがそれぞれあてはめてみます。こちらは参考までにご覧ください。
学資保険保障型
こういう人は検討の価値あり!
・一本でまとめて管理したい人
・自分で受取期間の管理をするのが面倒、不安な人
こういう人は難しいかも・・・
・貯蓄性を重視し、かつ返戻率をなるべく高く、戻りを大きくしたい人
学資保険貯蓄型
こういう人は検討の価値あり!
・貯蓄性を重視し、かつ返戻率をなるべく高く、戻りを大きくしたい人
・自分で受取期間の管理をするのが面倒、不安な人
こういう人は難しいかも・・・
・タイミング、金額、使い方を自由に決めて使いたい人
低解約返戻金型終身保険
こういう人は検討の価値あり!
・タイミング、金額、使い方を自由に決めて使いたい人
・大学入学時だけでなく、お子さんのその先の将来の為にも使えるように準備しておきたい人
こういう人は難しいかも・・・
・自分で受取期間の管理をするのが面倒、不安な人
※!注意!※
どれを選ぶにしろ、保険料払い込み期間中に解約してしまうと損をするのは一緒です。加入するときは、無理なく続けていける範囲を見極めて、準備をしましょう!
⇒保険を活用した教育費用の準備方法をご提案。保険無料相談.comはこちら
検討の前に。公的制度について
今まで学資保険の事についてお伝えしてきましたが、少し話題を変えて、公的制度の手当についてもお伝えしておこうと思います。
『学資保険で医療保障は一概に必ずいるとは言えない・・・』と私が考える理由の詳細もかかわってくるので、ぜひ保険検討の前に、ご確認ください。
知らないと損する公的制度。出産するときも、した後も、公的制度でカバーできる部分は多くあります。
元気な赤ちゃんのために。妊婦健診の補助
出産するまで、流産の心配はないか、胎児の状況はどうかを確認するために、妊婦健診を受ける必要があります。
妊娠は病気ではないため健康保険適応外ですから実費負担になり、一回につき5000円~1万円程度かかります。
その健診は14回程度の受診が必要になっており負担額も大きくなってしまうので、そこに対して自治体が補助を行う、という制度があります。
母子手帳と同時に、健診で使えるチケットを交付するという方法が多いようですが、お住まいの自治体によって補助金額の上限や内容等異なるので、補助内容についてはお住まいの自治体のHPを確認しましょう。
出産費用は実質タダ?出産育児一時金
国民健康保険の加入者が出産したときに支給される一時金で、42万円の手当があります。
会社の健康保険に加入している場合はそちらから支給され、健康保険によっては独自の付加給付があり、42万円よりも額が多い可能性があります。
健康保険から支給を受けた場合は、国民健康保険からは支給されない(重複しては受け取れない)ので注意してください。
覚えておきたい出産育児一時金直接支払制度
本来なら自分で請求手続きをして受け取る出産育児一時金ですが、出産する医療機関などで契約手続きを行うことで、本人ではなく医療機関などが変わって手続きしてくれる制度があります。
この場合、出産育児一時金が医療機関へ直接支払われるため、窓口で負担するのは出産費用から出産育児一時金を引いた額のみ。
一時的にとはいえまとまったお金を立て替えるのは大変ですし、出産後に乳幼児を抱えての手続きも面倒なものですから、是非確認しておきましょう。
※ただし対応してない医療機関もあるので、出産育児一時金直接支払制度を利用しない・できない場合はいったん出産費用を全額窓口で負担して、後に出産育児一時金の支給申請をするようになります。もし出産費用が給付金額を下回った場合は、申請を行うことで差額が支給されます。
仕事をしていたママへ!出産手当金
共働きの家庭だった場合、ママが出産するとなれば出産費用が掛かるだけでなく、仕事ができない分所得自体も減ってしまいます。
そこを全部とは言わないまでも、補ってくれる制度です。
これは健康保険から受け取ることができるお金です。
この手当金は、女性限定の手当です。
出産日以前42日~出産後56日までの範囲で、会社を休み給与の支払いがなかった期間を対象にして支給されます。
1日当たり = 支給開始日の前、12ヶ月の各標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3 |
仕事をしていたママへ!そしてパパも!育児休業給付金
もう一つ、勤めていた人が育児で休業するときに給付金が受け取れる制度があります。
これは雇用保険から受け取ることができるお金です。
この給付金は、1歳に満たないお子さんを育てるために休みを取っている雇用保険の被保険者であれば男女問わず受け取れます。(一定の条件を満たせば、お子さんが1歳6ヶ月に達するまで延長もできます)
給付額は二段階にわかれています。
育休開始後6ヶ月迄 | 1日当たり = 休業開始時賃金日額 × 67% |
育休開始後6ヶ月後 | 1日当たり = 休業開始時賃金日額 × 50% |
※休業開始時賃金日額は、直近で仕事をしていた6ヶ月間の賃金額合計を180で割った額。
義務教育終了まで!児童手当
0歳から中学校卒業までの児童を教育している方に、児童手当が支給されます。
こちらも合わせて確認しておきましょう。
3歳未満 | 月額1.5万円 |
3歳以上~小学生 | 第1子、第2子、月額1万円。第3子、月額1.5万円 |
中学生 | 月額1万円 |
第1子、第2子の場合、合計198万。
第3子の場合は合計252万の児童手当になります。
全部貯金に回せれば教育費準備の足しとして役立ちますし、この児童手当をそのまま学資保険の保険料にあてる方もいらっしゃいます。
押さえておきたい!社会保険料についての制度
給与明細を見たときに、毎月結構払っているなーと思っている方も多いはず。
もらうだけでなく、払わなくてよくなる部分もしっかり確認しておきましょう。
出産前後、社会保険料(健康保険・厚生年金保険の保険料)は申出により支払を免除してもらうことができます。
保険料の免除を受けていても、健康保険の給付は通常通り受け取れますし、免除されていた期間があっても、将来受け取る年金額に影響はありません。
また雇用保険料も産前産後休業中、育児休業中給与がなければ負担はありません。
あるのと無いとでは大違い!医療費助成制度
これは上の方でも少しご紹介した、お子さんの医療費についての制度です。
自治体によって内容が異なるので注意が必要です。
自治体による違いは大きくいうと下記の部分になるので、是非お住まいの市区町村のHPで確認してみてください。
年齢 | 5歳まで、15歳まで、18歳までと様々 ※対象年齢は地域によってだいぶ差がある ※通院・入院それぞれ上限年齢を別で設けている事もあるので注意 |
助成額 | 全額助成 or 一部自己負担 |
助成条件 | 親の所得制限がある or 助成条件は特に無い |
総括
今回は学資保険を検討するにあたっての周辺知識と、商品について書かせていただきました。
色々あったので、最後にまとめておきます。
教育費用
●最低約1043.0万円
※高校まで公立、大学が国公立の場合の学費+公立で小学校~高校まで通った場合の補助学習費、学校外活動費
●最高約2575.6万円
※高校まで私立、大学が私立(理系)の場合の学費+私立で小学校~高校まで通った場合の補助学習費、学校外活動費
⇒大きな額になってくるので、方法はどうあれ早い段階からの準備が必要
出典元:文部科学省 平成28年度「子供の学習費調査」
日本政策金融公庫平成30年度「教育費負担の実態調査結果」
銀行への積立と、保険での準備を比較したときの保険で準備するメリット
●銀行に預けるより増える可能性がある
●加入時からまとまった額が保障され、親の万一の時にも備えられる
●保険料控除を使い税金負担が軽くなる
⇒増やす、確保という意味では保険で準備したほうがメリットが高い
保険で準備するときの選択肢
●保障型の学資保険・・・学資資金準備だけでなく、子供の医療、親の死亡にも一本で対応。ただし元本割れすることが多い。
●貯蓄型の学資保険・・・学資資金準備に特化し、返戻率が高い。ただし決まったタイミングでの受取に制限される。
●低解約返戻金型終身保険・・・終身死亡保障を準備するだけでなく、払込期間後置くことで返戻率を高くでき、使うタイミング・額ともに自由。ただし手続き時期を自分で把握し、対応することが必要。
⇒どれも途中で解約すると払った分より戻りが少ないのは同じ。続けられる保険で、なおかつ自分の考えに合ったものを選択することが必要。
出産・子育てに関する公的補助
『お金が受け取れる』公的補助
●妊婦健診の補助・・・自治体によって詳細は違うが、妊婦健診の費用について自己負担が全くないか、一部負担で受けることができる。
●出産一時金・・・一時金で42万の給付。健康保険に入っている場合は独自の手当がつき、もう少し多く受け取れることも。
●出産手当金・・・女性限定で、健康保険から給付される。出産前42日~出産後56日までの期間が対象。
●育児休業給付金・・・男女ともに受け取れ、雇用保険から給付される。基本はお子さんが1歳まで受け取れるが、条件により1歳6ヶ月まで延長も可能。
●児童手当・・・義務教育終了まで支給。第1子、第2子の場合は合計198万円、第3子の場合は252万。
『支払が免除される』公的補助
●社会保険料、雇用保険料の免除・・・産前産後休、育休中の支払いが免除。将来支払われる年金の額に免除期間は影響しない。
●子どもの医療費の免除・・・自治体によって対象年齢等詳細は違うが、通院・入院での治療について自己負担が全くないか、一部負担で受けることができる。
⇒保険に入る入らないの前に、知っておかないと損をする公的制度。また無理のない保険料設定の為にも、家計の収支の把握は必須なので今一度確認を。
いかがだったでしょうか。
かかるお金、浮くお金、準備しなければいけないお金と、それに伴う保険での準備、その特徴についてまとめてさせていただきました。
皆さんが保険の準備をするときに、少しでもお役に立てればなと思います。