学資保険についてご紹介の記事も書いていますが、そもそも前提として、学資保険は必要なのでしょうか。
インターネットで『学資保険』と調べてみると、入っていてよかった、という意見もありますし、入らなくていい!という意見もありますし、今まさに検討中の方は少し悩んでしまうかもしれません。
そこで今回は、学資保険の必要性について、改めて確認していきたいと思います。
良ければ1つの情報としてご覧いただければと思います。
結論から
結論からいうと、必要な方・必要でない方は分かれると思います。
学資保険は結局のところ、教育資金をためるための手段の一つにすぎません。
他にもいくつか手段がある中で、どれがあっているのかというのは人それぞれです。
なので「学資保険は必要」という意見も、「不要」という意見も、どちらも”その方にとって”正しいと言えます。
ただ、それでは今お悩みの方は、私はどっちなんだろう?となってしまいますので、どのような方なら学資保険は不要で、どのような方なら学資保険が必要になるのかを確認していきたいと思います。
判断基準はシンプル
どんなところがポイントで、学資保険が合う・合わないかが決まるのか、というのがわかりやすいように、まず簡単に学資保険のメリット・デメリットを確認していきます。
シンプルに
デメリットよりもメリットが大きいと感じる人は学資保険が必要
ですし、
メリットよりもデメリットが大きいと感じる人は学資保険が不要(ほかの方法で準備)
といえます。
メリット4点を確認
ではまずメリットから確認していきましょう。
箇条書きにするとこんな感じです。
・自分の意志が弱くても、強制的に保険料が引かれ積み立てられる
・貯金するよりも増える可能性がある
・ご両親に万が一のことがあっても教育費が確保できる
・生命保険料控除の対象になる
1つずつ確認していきます。
強制的に貯められる
学資保険は自分の意志で行っていく貯金とは違い、強制的に保険料が引かれて積み立てられていきます(口座にお金がなければ別ですが)。また積み立てた分を自由に引き出すこともできないので、これもまた自分の意志とは関係ないところで貯めていくことができます。
その為、お金があるとすぐに使ってしまって貯金ができない・せっかく貯めてもすぐにおろして使ってしまう、というような方であれば、学資保険の強制的な貯蓄性はメリットといえます。
貯金より増える可能性がある
堅実に貯金ができたとしても、銀行に積み立てているとなかなか増えてくれないのが現状です。
長く続く低金利の影響を受けて利息は期待できませんし、利息がせっかく付いてもそのうち20%は税金で引かれてしまいますので、積み立てた分が減りこそはしませんが『増える』という点では現状期待ができません。
それに対して学資保険で準備した場合は、返戻率が100%を超える商品を探して契約すればその分だけ払った以上に返ってくることになりますし、また、よほど高額な満期金設定で契約しない限りは課税対象にはなりません。
これも、学資保険のメリットの一つといえます。
親に万一があっても教育費が確保できる
学資保険のほとんどは、契約者に万が一のことがあった場合は保険料の払い込みは不要になるが、保障は継続する。という内容になっています。その為、契約者(一般的にはご両親のどちらか)に万が一のことがあったとしても、学資保険で準備している分は確実に残してあげることができます。
地道に貯金ができる自信がある方でも、それはあくまで元気に仕事をして稼いで・・・というのが前提。
① 十分な貯金が準備できている。
② 万が一の事態になった時に必要な生活費も用意できていて、教育資金分の貯蓄には手を出す可能性がない。
この2つをクリアできているなら別ですが、そうでない方の場合は、この「確実に用意ができる」というのはメリットになり得ると思います。
生命保険料控除の対象
これは保険ならではのメリット。
保険料で支払った分は、生命保険料控除を使うことにより、所得税・住民税の負担が軽減されます。当然自分で貯金していった場合には控除対象にはならないので、税負担が軽くなるというのはメリットといえます。
メリット、まとめ
メリットとして考えられる4点について、その内容を確認していきました。
最後にもう一度、一覧でメリットを確認してから次に移りたいと思います。
・自分の意志が弱くても、強制的に保険料が引かれ積み立てられる
・貯金するよりも増える可能性がある
・ご両親に万が一のことがあっても教育費が確保できる
・生命保険料控除の対象になる
メリットから考える、学資保険が合う人
ここまででメリットをお伝えしてきましたが、これを読んで『学資保険がいいかも』と思った方はおそらく学資保険が必要な方のはず。
私のほうでも、こんな人は合うかな・・・というのも、ピックアップしておきます。
・貯金が苦手な人
・貯金はできるけど、十分な額が用意できていない人
・自分で運用ができないけど増やしたい人
・税控除枠を余すことなく使いたい人
細かいことを言い出すときりがないので、ひとまずメリットから上げられる点について簡単に上げてみました。
こちらは参考までにご確認いただければと思います。
デメリット3点を確認
次にデメリットの確認をしていきます。
こちらも箇条書きにするとこのようになります。
・長期間にわたって動かせない資金である
・インフレリスクに弱い
・保険会社が破綻した時に100%補償されない
こちらも1つずつ確認していきましょう。
資金が長期間拘束される
学資保険のメリットで『強制的に資金をためていける』と説明をしましたが、それも裏を返せば・・・という内容になります。
お祝い金として受け取れる時期は保険商品ごとで決められているので、基本的にそのタイミング以外ではお金を取り出すことはできません。
もし『どうしても』という場合は、解約をして解約返戻金を受け取るという方法もないわけではないですが、途中解約をしてしまうと、元本割れを起こして払った以下の金額しか受け取れません。
そのため、「資金に流動性を持たせておきたい」「自分で運用したほうが学資保険の返戻率より増やせる」という方や、「家計の余力があまりなく、続けていけない可能性が高い」という方にとってはネックになる点です。
インフレリスクに弱い
次にインフレリスクについてです。
インフレとは、物価が上がり、通貨の価値が低くなること。例えば、以前は100円で買えたものが、今では倍の200円ださないと買えない、となったとすると、『物の価値が倍になった』とも言えますし、それと同時に『100円の価値が半分になった』ともいえます。
学資保険は利率が決まっていて、契約後に最初に約束された利率が変わることはありません。その為、商品によって決められたタイミングで受け取るお祝い金・満期金も、約束された額から変わることもありません。
そうすると、大学入学時に200万円うけとれる契約をした場合、実際受け取るタイミングまでにインフレがおきて物価が2倍に上がっていたとしても、受け取れるのは約束通りの200万円(今の価値でいう100万円の価値しかない)ということになります。
これからインフレが起こるはず、そこに対応するためには自分で運用をしたほうがいい・・・とお考えの方にはデメリットといえます。
保険会社の倒産
最後に保険会社の倒産時についてです。
例えば銀行に貯金していた場合だと、預け先の銀行が万が一倒産してしまったとしても預金の1000万円までは保証されています。それに対して生命保険会社が倒産した場合はどうなるのでしょうか。
生命保険会社が万が一倒産した場合は、その保険会社の契約は『生命保険契約者保護機構』というところにより保護され、責任準備金の90%は最低でも補償されると決まっています。そのため、まったく何もなくなってしまう・・・ということはありませんが、手元に返ってくるのは本来うけとれる予定だった金額よりは少ない額になってしまいます。
これは何も学資保険に限った話ではないので、保険を契約するときには保険会社の経営状態は気になるところ。そのため、保険会社の経営状態についてはAAA~Dなどアルファベットを使った『格付け』や、支払い能力をパーセンテージで表した『ソルベンシーマージン比率』などで確認できるようにはなっていますが、それでもやはり心配だな・・・という方にはデメリットになる部分です。
デメリット、まとめ
デメリットとして考えられる3点について、その内容を確認していきました。
最後にもう一度、一覧でデメリットを確認します。
・長期間にわたって動かせない資金である
・インフレリスクに弱い
・保険会社が破綻した時に100%補償されない
デメリットから考える、学資保険がいらない・合わない人
さて、デメリットも確認したところで、先ほどと同じようにどういう人は学資保険が必須でない人なのかを確認してみましょう。
・すでに教育費も万が一の時の生活費も用意できている人
・自分で運用したい人
・インフレリスクが気になる人
・倒産リスクが気になる人
メリットの時と同じように、上にあげた様な人が必ずしも学資保険が不要・合わないという訳ではなく、あくまで読んでみていただいて、ご自身がデメリットとしてあがっていることが気になるかどうか・・・と判断していただければと思います。
まとめ:メリット・デメリットをどうとるか
今回は学資保険の必要性について、メリット・デメリットから確認してみました。
読んでみていただいて、いかがでしたでしょうか。
最初にお伝えした通り、学資保険は教育資金をためるための手段の一つにすぎません、
その為、結局のところはシンプルに
『デメリットよりもメリットが大きいと感じる人は学資保険が必要』
『メリットよりもデメリットが大きいと感じる人は学資保険が不要(ほかの方法で準備)』
と考えていただければと思います。
また、中にはメリットもデメリットもわかるから、学資保険は用意するけど少額にしておいて、別の手段でも準備しておこうかな・・・なんて方法組み合わせて準備する方もいらっしゃるかもしれませんね。
人の考え方は十人十色、誰かが合うから自分も必ず合うというわけでもありません。
まずは一度ご自身でも考えたうえで、それでも判断がつかなかったり、悩んでしまったときには、一度プロのライフコンサルタントに相談するのも方法の一つです。
自分には学資保険が合うのか、合うならどの商品がいいのか。むしろ、学資保険ではない選択肢が合うなら具体的にどういったものを選んだらいいのか。
お悩みのときには、ぜひ色んなサービスをご利用されてみてください。