今回お伝えするのは学資保険の返戻率についてです。
今回の内容:総受取金額÷総払込保険料×100=返戻率
100%越えが払った以上に受け取れる保険!
学資保険を検討するときに返戻率を重視する方は多いですが、基本的な返戻率の出し方や考え方の基本について、実はあやふや・・・という方もいらっしゃると思います。
今回はそんな基礎から、周辺知識までご紹介をしていきます。
特に、こんな方にはおすすめの内容です!
- ・学資保険を初めて検討する方
- ・返戻率が何を示しているかよくわかっていない方
- ・自分でも返戻率を比較したい、方法を知りたい方
- ・返戻率は何に影響を受けるのか知りたい方
先入観で「子どもが生まれたら学資保険を考えなければ!」と最初から考えている方も多いはず。
この機会にぜひ『なぜ学資保険を準備すべきと今まで言われてきていたのか』
『どういう学資保険が自分に合う、検討に値する商品なのか』というところを、
返戻率を確認するところから考えていきましょう。
そもそも返戻率って?
最初に、基礎となる“返戻率”の意味から確認していきましょう。
返戻率の説明は非常に簡単。
読んで字のごとく、『払った金額』に対して『返ってくる・戻ってくる率』が、返戻率が表す内容です。
つまり返戻率が何%かによって、こんなことがわかります。
- ・100%なら、払った金額も戻ってくる金額も同額
- ・110%なら、払った金額の10%がプラスになって戻ってくる
- ・90%なら、払った金額の10%がマイナスになって戻ってくる
具体的に、どのくらい増減するかがわかるというのは、契約するときの安心感にもつながりますよね。
学資保険を検討する方の中には、『ただ貯金するよりも、お金が増える方法で準備したい』という方も多いはず。
どの商品を選んだらいいのか考える時に、返戻率を確認するのはとても大事な事です!
返戻率の計算式
気になる商品があるときやいくつかの商品を比較したいというとき、返戻率を自分で計算できれば考えやすいですよね。
冒頭で式はご紹介しましたが、今一度確認してみましょう。
【返戻率の求め方】総受取金額÷総払込保険料×100=返戻率
正しく計算するためには、『総受取金額』と『総払込保険料』を正しく把握することが必要になってきます!
総受取金額とは
まず総受取金額ですが、これは保険が満期になるまで続けた場合、保険契約により受け取れる金額の合計です。
商品やプランによって、受取方はさまざまなので、しっかり内容を確認して計算してみましょう。
例えば、各入学タイミングでお祝金が受け取れるのに加え、満期時には満期金がもらえる・・・という保険はすべてを足した金額。
満期時の満期金しかない保険であれば、シンプルにその金額が総受取金額になります。
注意して欲しいのは、あくまでこれは『契約していれば必ずもらえる金額を合計する事』です!
どういうことかというと、保険の中には、保障型と呼ばれる教育費以外にこんな保障がついている保険もあるから。
- ・被保険者(子ども)の死亡保障
- ・契約者(親)の万が一の時の育英年金保障
など
これらの保障は必ず受け取るわけではないので、返戻率を求める時の総受取金額には含めませんので覚えておきましょう。
総払込保険料とは
次に総払込保険料ですが、これは保険が満期になるまでに自分が支払う保険料の合計です。
保険料は契約者(親)の性別と年齢、被保険者(子ども)の年齢によって決まっています。
計算するときはコチラ。
月払保険料 × 12ヶ月 × 払込年数 = 総払込保険料
もし年払いでの契約なら年払保険料に払込年数を掛ければOKですし、一時払い・全期前納での契約なら払い込む金額がそのまま総払込保険料なので計算は不要になります。
なぜ払った以上に受け取れる商品があるのか
では、返戻率の計算方法もわかったところで、もう少し中身の所もご説明していきます。
そもそも、なぜ返戻率100%越えの学資保険は、払った以上にお金が返ってくるのでしょうか?
その答えは『保険会社が契約者から集めた保険料を運用し、増やしているから』です。
保険会社は、「このくらいの保険料を払ってもらえれば、運用して○○円までは増やして返すことができる」と見込みを立てて保険料を決めています。
そのためもともと支払う保険料は、最終的に受け取る金額より少なくて済む!という訳です。
もし万が一、運用がうまくいかず見込み通りに運用益を出せなかったとしても、もちろん保障は約束通りに支払われるので、そこは安心できるところ。
また、保険会社の運用予定の利率は決まってはいるものの、契約者自身の行動で、保険会社の運用効率を少しでも上げ、より返戻率を高くすることができる方法というのもあります。
返戻率は払込期間に影響される
契約者がとれる方法は何かというと、『なるべく短い払込期間を選択する』という方法です!
資産を運用して増やしていく場合、効果を期待するには2つ大事な事があります。
その2つとは『少しでも多くの資金を』『少しでも長く運用する』ということ。
つまり学資保険の場合は、ここに影響するのが『払込期間』の設定という訳です。
商品によって選択できる払込期間は様々ですが、返戻率の高さを求める時にはまず選択できる払込期間を確認してみましょう!
ただし短い払込期間には注意点も
ただし、短い払込期間には『返戻率が上がる』というメリットだけでなく、デメリットも同時に存在します。
それは、『払込期間が長い保険契約と比べて、1回当たりの保険料負担が大きい』という事。
必要な保険料を短い期間にぎゅっと凝縮して支払うので当然と言えば当然なのですが、無理がある金額だと途中で続けられなくなり、最悪途中で解約しなければならない・・・という事もあり得ます。
学資保険の途中解約は、必ず返戻率が100%以下になってしまうので一番注意をしなければなりません!
良いところだけではなくて、注意点についてもしっかり押さえておきましょう。
100%未満は『元本割れ』
ちなみに、ご自身で保険を調べていると、『この商品は元本割れを起こします』『こういった場合は元本割れを起こします』といった文章を目にすることもあるかと思います。
『元本割れ』というのは、返戻率が100%未満である、という意味。
つまり、その場合は『払った以下しか返ってこないんだな』という理解でOKです!
最初に検討する商品をある程度絞りたい時には、こういった言葉も知っておくと比較の労力が減るので覚えておきましょう。
『元本割れ』の商品は絶対ダメ?
ただし、元本割れを起こす商品は絶対に選んではいけない商品かといえば、そういうことでもありません。
元本割れ、つまり払った総額以下しか返ってこないのは、それなりに理由があります。
もちろん、商品選択の前提条件が『払った以上に受け取れる保険』なら検討の土俵には乗りませんが、なぜ元本割れを起こすのか?という理由の所に納得できるのであれば、検討の価値ありです!
では、少し元本割れする商品についても確認してみましょう。
なぜ元本割れするのか
きっちり保険料を払い込んで途中解約をしなくても『元本割れ』する商品の場合、一体何にお金が使われているのでしょうか。
その答えは、準備できる保障内容にあります。
おそらく元本割れを起こす保険商品の保障内容を確認していただくと、教育費に充てられるお祝金以外の保障が充実しているはず。
つまり『元本割れする分は、保障を準備するために使われている』という事。
具体的にどんな保障が準備できるのかというと、返戻率の計算の所でも例に挙げたような下記のものです。
・被保険者(子ども)の死亡保障
・契約者(親)の万が一の時の育英年金保障
など
こういった保障の支払い資金を準備しておかなければならないので、払い込まれた保険料+運用実績の全てを払い戻すわけにはいきません。
そのため、払い込んだ保険料の一部は保障を支払うための準備に使われ、その分戻ってくる金額が少なくなっている、という訳です。
一本でまとめたいなら検討の価値あり
つまり、『元本割れ』の商品は、払った以上に戻ってくることを期待する方向けではなく、教育資金の準備ともしもの保障を一緒に準備したい方向けの商品ということ。
- ・別々で商品を探すのが大変
- ・証券をまとめて管理しやすくしたい
- ・手続きを一か所でまとめたい
といった場合には検討してみるのも良いと思います!
返戻率が第一前提でない場合は、一度内容を確認してみて下さい。
まとめ:返戻率と保障内容を確認して納得の選択を
以上、今回は返戻率の基本と考え方、返戻率に影響する内容についてご紹介を行いました。
学資保険を考えたいけど、よく目にする返戻率がよくわからない、どう考えたらいいのかわからない・・・という方にはぜひ押さえておいていただきたい内容です!
返戻率は大事な判断基準の一つになりますが、何が良いと思うかは人それぞれ。
何を表す数字なのかをしっかり理解したうえで、
- ・返戻率の高さを重視するのか
- ・様々な保障を準備できる内容を重視するのか
まずはこの2つから、考えに近い方を判断してみて下さい!
最後に簡単に今回の内容をまとめていきます。
▶返戻率とは
払った金額に対していくら戻ってくるかを表した率
▶返戻率の求め方とは
総受取金額÷総払込保険料×100=返戻率
▶なぜ払った以上に受け取れるのか
保険会社が払込保険料を運用して増やした分を上乗せして支払うため
▶返戻率を上げる手段はあるのか
少しでも保険料払込期間が短いプランを選択する
▶元本割れとは何か
総払込保険料以下の戻りになる、返戻率100%未満になること
▶なぜ元本割れを起こすのか
お祝金等以外の保障を準備する部分にあてられる保険料があり、その保険料は戻ってこないため
▶学資保険を2つの目的で考えるなら
返戻率の高さを重視する
様々な保障を準備できる内容を重視する
検討を始める導入の知識として読んでいただいたり、または改めて学資保険の検討基準の1つを確認するために活用いただければ幸いです!